
【導入事例紹介】外資系企業の事例に学ぶ、産業医選任のポイント
50人以上の事業場では、法令により産業医を選任する必要があります。そのため、産業医の選任にあたって、産業医紹介会社を活用する企業も少なくありません。
しかし、
「紹介会社を利用しているけど、なかなかマッチする産業医と出会えない」
「そもそも産業医の選任にそこまでこだわってこなかったが、何か違いはあるのか」
「どんな紹介会社にアドバイスをもらえばいいのか」
など、上記のようなお悩みをよく耳にします。
ピースマインドでは、職場課題の解決のノウハウをもとに産業医の選任、また産業保健体制のサポートを行っています。
本記事では、ピースマインドの産業医業務委託サービスを活用し、実際に産業医を選任された企業様へのインタビューをもとに、産業医選任が企業にもたらした変化や効果についてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.産業保健体制の役割
- 2.産業医の選任方法と特徴
- 3.産業保健支援サービス活用による変化
- 3.1.導入のきっかけ
- 3.2.導入初期、導入後の変化
- 3.3.今後の展望
- 4.まとめ
産業保健体制の役割
メンタルヘルス不調と産業保健体制
近年、日本では労働者のメンタルヘルス不調が重要な課題として取り上げられ、さまざまな施策が進められてきました。例えば、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」(※1)を策定し、4つのケアの推進やハラスメント防止措置の義務化が行われました。
➤4つのケアについて、詳しくはこちらをご覧ください。
➤ピースマインドの提供するハラスメント対策について詳しくこちらをご覧ください。
また近年では、健康経営認定制度の認知が広まり、健康経営への取り組みそのものに注目が集まっています。健康経営度調査の回答数が増加傾向にあることからも、健康経営に取り組む企業が増えてきていることが分かります。(※2)
しかし、これらの数多くの施策や取り組みを実施する企業が増えているにも拘わらず、現在でも多くの企業で、メンタルヘルス不調や離職の課題があげられています。調査データとしても、労働安全衛生調査(実態調査)において、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業又は退職した労働者がいる事業場は増加傾向にあります。
こうした背景の一因として、メンタルヘルス対策が、必ずしも十分に機能する形で産業保健体制の中に組み込まれていないケースがあることが考えられます。
効果的な産業保健体制が組み込まれていれば、以下のことが可能になります。
・健康診断やストレスチェックの結果を活かし、的確にメンタル不調者の支援が可能
・効果的な健康教育を実施し、充実した一次予防
・休職者への充実した支援から再休職や離職の防止
このように、企業における産業保健体制は、効果的なメンタルヘルス対策を継続的に実施していくうえで、重要な基盤の一つといえるでしょう。
産業保健体制の軸となる人物ー産業医ー
産業保健体制は、産業医をはじめ、衛生管理者や保健師など、さまざまな専門職が関わることで成り立っています。
その中でも産業医は、医学的な視点から助言を行い、企業の産業保健活動全体に関与する役割を担っており、産業保健体制において重要な役割を果たす存在といえます。
➤詳しい産業医の役割についてはこちらをご覧ください。
➤産業医の選任について詳しくはこちらをご覧ください。
一方で、企業によっては、産業医の選任が必要になった際に、
「どのような役割を期待するのか」
「自社にとってどのような関わり方が望ましいのか」
といった点を十分に整理しきれないまま選任に至るケースも見られます。
このようなことから、効果的な産業保健体制を構築していくためには、自社の課題や体制に合った産業医を選任することが重要といえるでしょう。
また、企業を取り巻く環境や従業員構成は変化していくため、当初に構築した体制に固執するのではなく、必要に応じて体制を見直していく視点も求められます。
産業医の選任方法と特徴
産業保健体制を見直す際の一つの選択肢として、産業保健体制の中核を担う産業医の選任方法を検討することが挙げられます。
産業医を選任する方法には、主に地域産業保健センターの活用、医師の紹介、自社採用、紹介会社の利用などがあります。それぞれの具体的な方法とメリット・デメリットは以下の通りです。

ピースマインドは、こうした産業医紹介会社の一つとして、企業の課題や体制に応じた産業医のご紹介を行う「産業保健支援サービス」を提供しています。
次の章では、実際に本サービスを導入された企業様へのインタビューをもとに、どのような背景で導入に至り、どのような変化があったのかをご紹介します。
産業保健支援サービス活用による変化
導入のきっかけ
今回ご紹介する企業様では、サービス導入以前から、いくつかの課題を感じていらっしゃいました。
まず、従業員数が10名規模の会社であったため、地域産業保健センターの活用を検討されていましたが、予約が1か月待ちになることが多く、タイムリーな対応が難しい状況にありました。
一般的に、50人未満の企業の多くは地域産業保健センターを活用して産業保健活動を進めています。一方で、日本企業の約95%が50人未満の企業であることから、利用が集中し、産業保健センターでは即座の対応が難しいケースもあるといいます。
また、仮に予約が取れた場合でも、常駐の働き方や外国籍社員の背景など、企業特有の事情をその都度産業医に説明し、正しく理解してもらうことが難しいという課題もありました。地域産業保健センターでは、担当する産業医が都度変わるため、企業側としては毎回説明が必要となり、その負担に加えて、正確に伝える難しさを感じていたそうです。
そのほかにも、傷病なのか労災なのか判断が難しいケースが多く、産業医の関与が必要となる場面が少なくありませんでした。さらに、大手企業から転職してくる社員が多いことから、産業保健体制が整っていない場合、前職とのギャップに違和感を覚える可能性が高いという課題感もお持ちでした。
こうした背景から、紹介会社を活用して産業医を選任し、企業の実情をよく理解したうえで対応してもらえる、強い産業保健体制を構築したいという想いがあったといいます。
また、ピースマインドのサービスを選んだ理由として、主に2つのポイントを挙げてくださいました。
1つ目は、英語対応が可能な産業医を選任できる点です。
従業員の約半数が英語を母語とする方であるため、英語対応ができない産業医では不安があったそうです。
2つ目は、手厚く対応してもらえる産業医を選任できる点でした。
これまで、医師業務と兼務している産業医の場合、支援が手薄に感じられることがあった経験を踏まえ、状況をきちんと把握したうえで、丁寧にサポートしてもらえる産業医を選任できる点が決め手になったとお話しくださいました。
実際に選任後は、定期的に産業医との面談の機会を設け、継続的な支援を受けられているとのことでした。
導入初期、導入後の変化
ピースマインドでは、産業医をご紹介した後、産業医と企業様との顔合わせの機会を設けています。その場では、定期的なミーティングの進め方やスケジュールなど、産業医活動全体について一通り確認することができ、「要望に沿った産業医を紹介してもらえたと感じた」とお話しくださいました。
選任後、社内に大きな変化があったわけではありませんが、何か起きた際にすぐ相談できる体制が整ったことや、迅速に日程調整を行ってもらえることで、従業員を待たせることなく対応できている点を評価されていました。
その結果、従業員の不安が溜まったり、対応が滞ったりすることを防ぐことができており、「とても良かった」と感じているそうです。
また、休職に関する対応など、判断が必要な場面では細かなアドバイスをもらえるため、休職の判断に対して従業員から反発が起こることもなく、円滑に対応できているとのことでした。こうした点から、「プロフェッショナルな産業医である」と感じているとお話しくださいました。
社員からの目立った反応は多くないものの、実際に面談を行った社員の中には、「話したいことをすべて話すことができた」と満足そうな様子が見られたとも伺っています。また、人事担当者としても、産業医が介在することで従業員とのコミュニケーションが取りやすくなり、大変助かっているそうです。
これらの変化は、短期的に業績向上へ直結するものではありませんが、従業員が安心して働ける環境が整い、産業保健体制への信頼が高まることは、結果として従業員のパフォーマンス向上につながっていくことが期待されます。
今後の展望
今後の産業保健体制の活用について伺ったところ、海外本社でも健康経営の視点が取り入れられつつあることを背景に、日本において実施可能な取り組みについて、産業医の先生と相談しながら進めていきたいとお答えいただきました。
また、業務内容やフルフレックスの働き方の影響により、深夜まで業務に取り組むことが習慣化しやすい状況にあるそうです。そのため、パフォーマンスを最大化するための制度設計の検討や、ウェアラブルデバイスの導入によって健康指標データを把握し、改善に活かしていくなど、社員の特性を踏まえた「続けられる対策」を、産業医の先生とともに検討していきたいとのお考えをお話しくださいました。
一方で、今後に対する不安もあるといいます。顧客先の増加に伴い、短期間で従業員数が増える可能性があり、そのタイミングで新たな課題が一気に顕在化するのではないかという懸念をお持ちでした。
こうしたお話を踏まえ、ピースマインドとしては、すべてを産業医の先生だけで対応することは難しいと考え、産業医である必要のない面談については、ピースマインドの心理職がご支援するという選択肢をご提案いたしました。
また、今後、50人未満の企業においてもストレスチェックが義務化される予定であることを踏まえ、その際にはピースマインドのEAPコンサルタントを活用することで、産業医と連携した支援が可能であるという、ピースマインドならではの特長についてもご紹介しました。
『💡本事例から見えるポイント』
本事例では、従業員規模が小さい企業であっても、「何かあったときにすぐ相談できる体制」を重視して産業医を選任することで、日常的な不安や判断負荷を軽減できている様子がうかがえました。
産業医の選任は、コストや契約形態だけでなく、企業のフェーズや働き方に合わせて検討することが重要だといえます。
まとめ
今回は、導入企業へのインタビューをもとに、ピースマインドの産業保健支援サービスが、実際にどのように企業に導入されているのかをご紹介しました。
本事例を通して、産業医の選任方法にはさまざまな選択肢がある中で、紹介会社であるピースマインドを活用することで、企業に合った産業医を選任しやすくなることや、困りごとが生じた際にも相談しやすい体制を築きやすいことを感じていただけたのではないでしょうか。
ピースマインドの産業保健支援サービスについて、より詳しく知りたい方は、以下をご参照ください。
貴重なお時間を頂戴し、インタビューにご協力いただいた企業様、ご担当者様に心より御礼申し上げます。
参考資料
※1 厚生労働省 事業場における労働者の心の健康づくりのための指針
※2 健康経営銘柄2024選定企業紹介レポート













