経営課題としてのハラスメント対策ー経営層から始める「リスペクト文化」の醸成
ハラスメントやコンプライアンスの問題は、ひとたび問題が表面化すれば、長年かけて築き上げたブランドイメージが一瞬で損なわれ、経済的な損失も避けられません。最近では、ハラスメント対応の遅れや不適切な初動が、企業への社会的批判に繋がるケースも増えています。ハラスメント対策は、「人事の取組み」から「経営課題」としての取り組みが求められているといえるでしょう。 これまでのハラスメント対策の多くは、「問題が起きてからの対処」や「ハラスメントと呼ばれる禁止行為の防止」を重視するものでした。しかし、人的資本経営や健康経営が求められる昨今、「リスク管理」という守りの戦略だけでは不十分になってきているのかもしれません。 弊社がこれまで多くの企業のハラスメント対策を支援してきた中で感じているのは、しっかりと取り組まれたハラスメント対策が、「単なるリスク管理」にとどまらず、「企業価値の向上」や「持続的な成長」につながるという視点が、徐々に重視されるようになってきているということです。具体的には、根本的な組織風土の見直しやトップダウンの変革などの取り組みが見られます。本記事では特に、その鍵を握る「経営層のコミットメント」の重要性と、それがもたらす企業の経済的価値について掘り下げていきます。
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