ストレスチェックで社内に高ストレス者が!実施後の会社と個人への対応とは?

「ストレスチェックを実施して高ストレス者がいることがわかったけれど、どんな対応をしたらいいのだろうか」
「ストレスチェックの結果はどのように扱ったらいいのだろうか」

そんな不安はありませんか?

実際にストレスチェックを行った企業からは、「誰(人・組織)に対して、どのような施策を打つべきかわからない」といった声がしばしば寄せられます。

そこで、今回はピースマインドが推奨する高ストレス者への効果的な対応について、個人と組織全体への取り組みの2つの視点からご紹介します。

高ストレス者とは?

厚生労働省のストレスチェック制度のマニュアルによると、高ストレス者とは、「ストレスの自覚症状が高い人や、自覚症状が一定度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪い人」のことを指します。

高ストレス状態が続くと、メンタルヘルス不調に陥るリスクやそれによって休職や離職に繋がるリスクが高まります。
2年連続高ストレス者の割合
弊社データによると、高ストレス者の比率は平均約12%で、そのうちの半数は2年連続で高ストレスの判定を受けています。このことは、ストレスチェックを実施後、多くの高ストレス者が適切なサポートを受けられずにいる可能性をを示唆しています。

医師面接指導とは、高ストレス者が任意で受けられる産業医などの医師との面談のことです。ストレスの要因や周囲の環境などを把握することで、ストレスへの予防や対処ができるように支援します。
医師面接指導の申し出状況
しかし、近年の高ストレス者が医師面接指導を受ける割合は約8%と低い水準です。

医師面接指導を阻む要因としては、結果が会社側に知られてしまう不安や、本人が希望しない場合には、面接指導自体が実施されないシステムであることが考えられます。

このようにストレスチェック実施後、その結果を活用できていないケースが多くみられます。そのため、今後は得られた結果を元に有効な対策を行うことが求められているのです。

 

ストレスチェックの目的

そもそも、なぜストレスチェックを行うのでしょうか。

主な目的は、従業員自身が自分のストレスを把握し、事業者側が職場の改善に繋げることでメンタルヘルス不調を未然に防ぐことです。

2015年の労働安全衛生法の改正により、従業員50人以上の職場ではストレスチェックを実施し、さらに、高ストレス者が申し出た場合は、医師による面接指導を実施することが事業者に義務付けられています。

厚生労働省によると、ストレスチェックは、「労働者が自分のストレスの状況を知ることで、ストレスをためすぎないように対処したり、ストレスが高い状態の場合は医師の面接を受けて助言をもらったり、会社側に仕事の軽減などの措置を実施してもらったり、職場の改善に繋げたりすることで、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組み」と定義されています。

高ストレス者は必ずしも従業員単独の問題ではなく、職場全体の問題であることも多いため、会社側の取り組みも非常に重要です。

 

高ストレス者を放置するリスク

高ストレス者を放置してしまうと一体どんなリスクが発生するでしょうか?

例えば、厚生労働者の『こころの耳』(注1)では、うつ病の症状として、”気分の落ち込みや意欲の低下にとどまらず、脳の機能全体が落ちることによる集中力・記憶力・判断力の低下や、さまざまな身体症状として現われます”と記載されています。このことからも、うつ病などのメンタルヘルス不調になってしまった場合、仕事を効率的に行うことが困難になる可能性があります。

さらに、うつ病への罹患は自殺に至ってしまうケースなどもあり、損害賠償請求に発展する場合もあります。(注2)

このように、職場のリスク、企業側の経営リスクなど、様々なリスクが生じる可能性を考えると、高ストレス者への対応は早急に行わなければなりません。

以上のことを踏まえて、ストレスチェックを活用した高ストレス者個人への取り組みと、組織全体への取り組みについて、順に見ていきたいと思います。

 

ストレスチェックを活用した高ストレス者個人への取り組み

ストレスチェックの結果は本人に個別に通知され、会社や担当者は本人の同意なく結果を知ることはできません。従って、本人が医師面接指導を希望しない場合には、適切な対処が困難になります。

高ストレス者個人に向けた取り組みを促進させるためには、面接を受けやすくするための環境づくりが効果的です。
 

高ストレス者への医師面接指導の推奨

高ストレス者が医師面接指導をためらう大きな理由のひとつは、「結果が会社側に知られてしまうのが不安」という懸念があることと考えられます。

そのため、事業者側は、面接に行っても不利益は被らないことや、面接を受けることのメリットなどを社内全体にアナウンスしておくと良いでしょう。

ストレスチェック実施後であっても、会社からのアナウンスにより、面接を受けようという意思決定を促進できる可能性があります。面接の申し出は結果の通知後1ヶ月以内に行うことが推奨されているので、できるだけ早めに取り組みましょう。
 

高ストレス者のパターン別解決策

高ストレス者のパターン
医師面接指導以外にも、高ストレス者の典型的な特徴やパターンを知ることで、対応に活かすことができます。

高ストレス者はその方の特徴や外的環境に応じて典型的ないくつかのパターンに分類が可能です。今回は、その中でも特に多く見られる高ストレス者の2つのパターンの特徴と、個別の対処方法をご紹介します。
 

「コミュニケーション不全型高ストレス者群」

この群は主に上司とのコミュニケーションに課題があると思われるパターンで、職場環境とコミュニケーションスキルが主な要因と考えられます。

異動やリモートワークの導入などで職場に適応するまでに時間がかかったり、上司と部下のコミュニケーションが機能していない場合には、小さなコミュニケーションを多く取ったり、定期的に質の高い1on1を実践するなど、コミュニケーションの量を増やし、またその質を向上させられるよう心がけましょう。

一方で、部下の相談スキルに課題がある場合、上司側の配慮などが不足しているような場合には、コミュニケーションスキルの獲得が必要です。コミュニケーションスキル獲得には社内外の研修を活用すると良いでしょう。 
 

「ワーカホリック型高ストレス者群」

この群は、負荷が高い仕事にもやりがいを持って取り組んでいるが、強いストレスを感じるパターンで、自ら仕事を抱え込んでしまうことと企業側がストレスマネジメントを軽視していることが主な要因と考えられます。

仕事を優先し、自分のストレスマネジメントが後回しになっている場合には、本人がセルフマネジメントの重要性を知ることが大切です。目標を決め、自分の課題を把握し、計画を立てて実行するというような自己管理を適切に行うことができれば、自分の感情やストレス状態に気づくことができます。そのスキルの獲得には社内外の研修を活用すると良いでしょう。また、上司は、部下が自主的に仕事のボリュームを調整できるように働きかける事や、部下が上司に状況報告や相談を行いやすい環境づくりに取り組むと良いでしょう。

一方で、上司が従業員の疲労感に気付けない場合には、安全配慮義務の観点から、部下の心身を適切にマネジメントすることの重要性を上司に理解してもらうことや、個人結果は把握できないまでも、組織分析結果などを活用し、自組織のリスクに早めに気付いて対処できるよう、会社が上司を支援することが良いでしょう。

ここまでは、高ストレス者個人に対する取り組みを紹介してきました。以降は、高ストレス者を取り巻く組織全体に対しての取り組みについて見ていきます。

 

ストレスチェックを活用した組織全体への取り組み

ストレスチェック実施後の職場改善活動に向けた取り組み

ストレスチェックから職場改善の流れ

ストレスチェックを実施して高ストレス者が確認された、もしくは、ストレスを感じている人が多いことがわかった場合、医師面接指導を推奨するだけでなく、職場の改善活動を行う必要があります。その際、個別でのアプローチと組織的なアプローチの両方を活用することで、相乗効果も期待できます。

具体的に、ストレスチェック実施から職場改善活動までには、一例として①「事務局報告会」の実施、②「経営層向けの報告会」と「管理職向けの報告会」の実施、③「個別アプローチ」と「組織的アプローチ」の実施という流れで取り組まれることがあります。それぞれ順にご紹介していきます。

 

①「事務局報告会」の実施

ストレスチェック実施後、まず、経営層や管理職に向けた「事務局報告会」を実施します。
この報告会では、ストレスチェックの分析結果をもとに、職場改善活動の大枠をディスカッションし、どのような施策を行うかを考えます。
 

②「経営層向けの報告会」と「管理職向けの報告会」の実施

次に「経営層向けの報告会」と「管理職向けの報告会」を行います。
「経営層向けの報告会」によって、経営層がメンタルヘルス問題を重要だと考える姿勢をとることで、職場改善活動を推進するなかで後ろ盾となると考えられます。

さらに「管理職向けの報告会」を行うことは、現場での推進力を高めるのに効果的で、現場でどのような問題が起きているかを把握し、適切な施策を実施していくことに繋がります。
 

③「個別アプローチ」と「組織的アプローチ」の実施

以上の報告会をふまえた上で、実施する施策は、「個別アプローチ」と「組織的アプローチ」に分けられます。

「個別アプローチ」とは、個人に対して対策を行っていくことで、具体的には、相談窓口の設置などが挙げられます。

「組織的アプローチ」とは、部署などの組織に対して対策を行っていくことで、具体的には、管理職向けの集合研修や現場ヒアリングなどが挙げられます。

どちらか一方でも有効ですが、この2つのアプローチを同時に行っていくことで、さらに相乗効果も期待できるのです。


ここまでストレスチェック実施後の取り組みをご紹介してきました。

しかし、ストレスチェックをより効果的に活用するためには、職場改善活動の全体像を把握し、しっかりと実施の準備を行うというストレスチェック実施前の取り組みも重要です。既にストレスチェックを実施している場合でも、次回から取り入れてみてはいかかでしょうか。
 

職場改善活動のプロセスを考える

職場改善活動の全体像

職場を改善するためには、ストレスチェックの実施前から実施後、さらに次のチェックに向けたフォローアップといった全体像を考えることが重要です。

ここではPDCAサイクルに沿った全体の流れをご紹介します。

まず「Plan」では、ストレスチェック実施の計画を立てます。この点については、次にご紹介する「ストレスチェック実施前の準備」で、より詳細にご説明していきます。

次に「Do」として実際にストレスチェックを実施し、データを収集します。

そして「Check」で結果の分析を行うことで組織の傾向をつかみ、改善が必要な組織を把握し、仮説を立て、ヒアリング調査によって仮説を確認します。

最後に「Action」で仮説に応じた改善策をもとに職場改善活動を実施し、フォローアップ等を行います。

この一連の流れを繰り返し行うことで、より効率良く職場改善活動を行うことが可能になります。
 

ストレスチェック実施前の準備

ストレスチェック実施前の準備

職場改善活動において、より効果を高めるには「解決したい課題は何か?」を準備段階で明確にすることが重要になります。この準備は上記のPDCAサイクルの「Plan」に当たります。

解決したい課題を考え、その内容を明確化することで、ストレスチェックに必要な属性の切り口や追加すべき項目などを判別できます。

ここで、課題を検討する前にPDCAサイクルを回してしまうと、項目の変更・追加が困難になるため、必要な項目に抜けがないように、取りたい情報は実施前に洗い出しておくと良いでしょう。

ストレスチェック実施前の準備例
例えば、図の例にあるように、中途入社者の早期退職が課題の場合、新卒と中途ではストレス度に違いがあるのかを確認する必要があります。そこで、「入社経路」や「在職期間」などの新たな項目をストレスチェックに入れることによって、属性別に分析することが可能になります。 

このようにストレスチェックの結果を上手に活用するには、実施前の入念な準備も非常に大切です。職場改善活動だけでなく、今回ご紹介したPDCAサイクルと実施前の準備も合わせて、次回以降のストレスチェックに取り入れてみましょう。

 

まとめ

今回は、ストレスチェックを活用した、高ストレス者個人と組織全体への取り組みについてご紹介しました。

ストレスチェックは、従業員自身が自分のメンタルヘルスを理解し、セルフケアに役立てることが目的ですが、企業側がそのデータを適切に分析し、分析結果を職場改善活動などに活用することも重要です。

今回ご紹介した方法を参考に、高ストレス者のいない、働きやすい職場を目指していきましょう。
 

ピースマインドのストレスチェックサービス

ピースマインド株式会社では、「ストレスチェック義務化法案の対策」「組織の健康リスクの計測」「高ストレス者の把握と適切なサポート」「ストレスチェックの活用」等の様々なニーズにお応えして、より包括的なサポートを行っております。

具体的にはストレスチェックの実施と共に、医師面接指導の支援やそのフォローアップを行う高ストレス者ケアプラン、追加の集団分析や組織ごとの課題解決を行う職場課題解決プランをご用意しております。

その他にも、階層に応じた研修・プログラム、ビデオ会議ツールを用いたオンライン研修などもご提供しております。

ストレスチェックをより効果的に活用して、はたらく人全員が笑顔でいきいきと働ける職場を目指しませんか?

ピースマインドのストレスチェックサービスの特徴はこちら

 

参考情報

(注1)厚生労働省 こころの耳 2 精神障害の基礎知識とその正しい理解
(注2)厚生労働省 こころの耳 [事例1-1] 長時間労働の結果うつ病にかかり自殺したケースの裁判事例(電通事件)

ピースマインドは、お客様とともに「はたらくをよくする」会社です。

EAP(従業員支援プログラム)やストレスチェック、ハラスメント対策や
休復職支援などを通じて「はたらく人」と「組織」をサポートします。

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