セルフケアで社員のメンタル不調を予防するには?

厚生労働省の発表で、2021年に仕事が原因の精神障害で労災認定された人の数が、2年連続最多を更新したことが明らかになりました。

メンタルに不調をきたしてしまった社員は、休職や離職をせざるを得ないケースも少なくありません。すると、しわ寄せで仕事量の負担が大きくなった同僚もメンタル不調を起こすなど、悪循環に陥る可能性があります。

また、社内にストレスを感じている人が増えると、コミュニケーションに問題が生じるなど、人間関係が悪化し、更なる休職・離職の原因になることも考えられます。

これらを防ぐためには、社員が自分自身でメンタルケアを行えるよう支援していくことが必要です。

そこで今回は、自身で行えるメンタルケアである「セルフケア」について、その必要性や方法と効果をまとめました。社員のセルフケアのために企業が出来ることもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
 

「セルフケア」とは?メンタルヘルス対策での必要性について解説

セルフケアとは何か説明する図

企業でのメンタル不調者を減らすには、日頃から社員のメンタルヘルスに気を配り、不調を未然に防いでいかなければなりません。

そのためには、社員が自分自身でセルフケアを行えることが必要になります。厚生労働省では、セルフケアを「自分自身でメンタルの状態に気付き、ストレス解消のために適切な対処し、周りの人はそれを支援すること」と定義しています。自身でセルフケアを行うことで、メンタル不調を招きにくくなります。

メンタルヘルスの専門用語として、不調を未然に防ぐ「一次予防」、不調を早期に発見し重症化を防ぐ「二次予防」、メンタル不調者の支援や再発防止をする「三次予防」があります。

セルフケアは、一次から三次まで全ての予防の側面がありますが、自身で不調に気付き対処する「二次予防」の意味合いが強いといえるでしょう。


 

まずは自身のメンタル不調の初期症状に気付くことが大切

メンタル不調の初期症状の画像

ここからは、主なセルフケアの2つの方法、①自身でメンタル状況に気付く、②セルフケアでストレスに対処する、について詳しく紹介していきます。

まずは、社員が自身のストレスに気付けることが大切です。そのためには、メンタル不調の初期症状から自身のストレス状況に気付けるようになるなど、メンタルヘルスへの知識があることが求められます。

初期症状には、原因不明の腹痛頭痛が続く、理由なく不安な気持ちになる、イライラするようになる、なかなか眠れなくなるなど様々な症状があります。

初期症状に気づくことが出来ないと、原因の分からない心身の不調から、重度のメンタル不調になってしまうこともあります。

心身の自覚症状からメンタルが弱っていることに気付くことが出来ると、メンタル不調を早期に発見し、適切な対応を行う、メンタル不調の「二次予防」に繋がるかもしれません。

ニ次予防として、ストレスに対処するセルフケアを行うには、常日頃から社員自身がメンタルの状況に自覚的になり、それを正しく把握出来ることが大切なのです。

 

メンタルヘルスを健康に保つ!セルフケアの具体的な方法と効果

では、ストレスに気づいたあと、社員はどのように対処するべきなのでしょうか。
メンタルヘルスを自分で健康に保つためには、様々なセルフケアの方法があります。

ここからは、出来ることを仕事中とプライベートに分けて、その効果と共に紹介していきます。
 

仕事中できること

呼吸改善やストレッチ
ストレス緩和には、心身の緊張を緩めることが大切です。長時間同じ姿勢でいるときや、仕事の量、人間関係などのストレスがかかる状況で筋肉は緊張してしまいます。腹式呼吸やストレッチを行い、筋肉の緊張をゆるめ、血行を促すことで心身をリラックスさせることが出来ます。
人との交流
話すことで不安やイライラが解消されるなど、人との交流もとても大事なこと。また、笑うことには自律神経のバランスを整えたり、免疫力を正常化させたりする効果があります。ランチなどの時間を活用し、社員同士の楽しい交流機会を設けてみても良いかもしれません。
 

プライベートでできること

 快適な睡眠
メンタルヘルスの基本は、快適な睡眠です。起きたときに気持ちが良く、日中に眠くならない睡眠が心身の健康には必要です。長い残業は疲労度が高く、帰宅も夜遅くなるなど睡眠に悪影響を及ぼしてしまう場合もあります。
 適度な運動
運動をすると、セロトニンやエンドルフィンなど、メンタルヘルス向上に良いホルモンが安定的に供給される効果があります。ストレスに強い心身作りをすることが出来るのです。社内の部活動を活発化するなど、社員が運動を楽しみながら行える機会があると、健康的なメンタルを保つことが出来るかもしれません。
専門機関への相談
メンタル不調やストレス、悩みを専門家に相談することは、不安感の解消に非常に効果的です。専門的な観点からのアドバイスが見込めるため、親しい人と話しても解決しない問題は、早めに専門機関に相談した方が良いでしょう。産業医・保健師や、会社や健康保険組合が契約している相談機関、医療機関など様々な窓口があります。疾病性の発覚がある場合も、早めの労働条件の見直しや対策に繋げることが出来ます。

これらは、ストレスがあるときに対処する「ニ次予防」としてだけでなく、日頃から行うことで、メンタル不調を未然に防ぐ「一次予防」をすることが出来ます。

一方で、飲酒や喫煙などは心身の健康に悪影響があり、ストレス解消の手段としては推奨されません。社員が正しいセルフケアを習慣化出来るような制度作りに、取り組んでいくと良いでしょう。

 

三次予防としてのセルフケア|メンタル不調の治療にも効果的!

ここまで、社員の休職や離職の大きな原因となってしまう、メンタル不調発症・悪化の予防として「一次予防」「ニ次予防」の位置づけでセルフケアをご紹介してきました。

では、実際にメンタル不調に陥ってしまい、就業が出来なくなってしまった社員は、セルフケアは必要ないのでしょうか。
実は、セルフケアは深刻なメンタル不調の職場復帰・再発予防を支援する「三次予防」にも役立つことがあります。

無理のない範囲で、正しい睡眠・運動の教育などのメンタルヘルス研修を行い、出来るものから生活に取り入れる支援をしていくことで、精神症状に良い影響を与える可能性があり、復職や、再発の予防に繋がるかもしれません。しかし、深刻なメンタル不調者の症状は一進一退である場合も多く、必ず効果が得られたり、継続が可能である訳ではありません。企業側も、長期的な目線でサポートしていくことが、社員の回復に効果的です。

 

社員のセルフケアには研修・ストレスチェックや相談窓口の設置を

メンタル不調の予防や症状の緩和につながるセルフケア。
最後に、企業内でのメンタル不調をなるべく予防するために、社員がセルフケアを出来るようになるには、人事や会社側からどのように働きかけができるか考えてみましょう。

社員のセルフケア支援に必要なメンタルヘルス教育・研修、ストレスチェック、相談窓口の設置を図にした画像


メンタルヘルス教育・研修

まず、セルフケアでは社員自身が「メンタルの状態に気付く」ことが重要でした。しかし、その人の性格によっては、ストレスに気付きにくいこともあります。企業の中で、正しいメンタルヘルスについての基礎知識、ストレスの気づき方、対処方法(睡眠方法や適切な運動量など)を教える機会が必要です。社員に正しいメンタルヘルスの知識があると、メンタル不調への偏見も薄れ、メンタル不調が重症化し辛くなったり、復職しやすくなる効果も期待出来ます。

 

ストレスチェックの活用や定期面談の実施

また、企業が社員一人一人のストレス状態を把握し、セルフケアを促すことも重要です。社員のメンタルヘルスの状態を可視化出来るストレスチェックの活用は、社員が自身のメンタルの状態に気付くきっかけにもなります。また、定期的な面談の実施で、社員が自身の精神状態やコンディションを共有する機会を作りましょう。企業側が一緒にセルフケアを見直したり、提案を行うことが出来ます。新型コロナウイルスの影響で、メンタルの不調を訴える人が急増しています。リモートワークでは、コミュニケーション不足になりがちになるため、社員がストレスを自分一人で抱え込まないように働きかけていきましょう。

 

いつでも相談可能な窓口の設置

また、セルフケアの方法でも説明した通り、外部の専門家への相談は有効なセルフケアの1つです。産業医などの専門家や、会社や健康保険組合が契約している相談機関などに、いつでも相談できる窓口の設置を行いましょう。

以上の3点を企業が行うことで、社員が進んでセルフケアをすることが出来る職場環境に近づけていくことができます。
セルフケアを支援し、メンタル不調を予防することで心身共に健康な社員が増え、パフォーマンス維持や改善につながっていきます。出来ることから着手しましょう。

ピースマインドでは、「セルフケア」、マネジメントによる「ラインケア」、社内外の専門家によるケアが緊密に連携し三位一体となって、社員の問題解決を支援するEAPサービスを提供しています。また、法制度に沿っており、高ストレス者のケアや職場の課題解決にもつなげていくことができるストレスチェックや、各企業に合わせたカスタマイズが可能で、オンライン対応もしているメンタルヘルス研修も行っております。それぞれの企業に合わせたサービスの提供が可能ですので、是非お問い合わせください。

 

まとめ

メンタル不調の予防・支援に有用なセルフケア。自身でメンタルの状況を把握し、適切に対処するセルフケアが出来る従業員が増えることは、社内のメンタル不調者減少だけでなく、組織内の人間関係や雰囲気の活性化にも繋がっていきます。いきいきと働ける職場作りの一環として、セルフケアの支援は非常に大切です。積極的に取り組んでいきましょう。
 

  参考資料

厚生労働省:心の健康づくり2019
厚生労働省:15分で分かるヘルスケア 
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査 

ピースマインドは、お客様とともに「はたらくをよくする」会社です。

EAP(従業員支援プログラム)やストレスチェック、ハラスメント対策や
休復職支援などを通じて「はたらく人」と「組織」をサポートします。

貴社の課題解決に最適なご提案をさせていただきます。
まずはお気軽にお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ 03-3541-8656

お電話でのお問い合わせ