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【データでみる】会社の中核を担うミドル世代の離職と対策

労働人口の減少による、人材確保が難しい状況から、企業にとって社員の離職防止は重要な取り組みの一つと言えるでしょう。この記事では、離職の背景にある課題と離職に繋がるモチベーションの低下を防ぐための取り組みをご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.「転職は当たり前に」最新の離職状況
    1. 1.1.離職による組織への影響
    2. 1.2.転職理由ランキング-なぜ離職するのか-
  2. 2.離職に繋がるモチベーションの低下を防ぐ
    1. 2.1.「自分の仕事の進め方が今の働き方に合わない」
    2. 2.2.「部下とのコミュニケーションが上手くとれない」
  3. 3.まとめ



「転職は当たり前に」最新の離職状況

2023年の正社員の転職率は7.5%で、調査を開始した2016年から約2倍以上と高水準で推移しています(※1)。労働人口の減少に加え、転職が一般的になったことで、離職するハードルが低下していることも要因の一つです。

正社員の転職率推移


また、転職者の性年代内訳によると、30代〜50代のミドル世代の男性の転職が約半数を占めていることがわかります(※1)。即戦力となるミドル世代は、企業側の需要も大きく、今後も転職者は増えると見込まれます。

転職者の性年代内訳

離職による組織への影響

社員の離職は、人員不足による生産性の低下だけでなく、他の社員への負担増加も引き起こす可能性があります。さらに、経験や実績が豊富で影響力の大きな社員が離職することで、他の社員が続々と退職する「退職連鎖」が発生する懸念もあります。離職防止は重要な経営課題であると言えます。

転職理由ランキング-なぜ離職するのか-

転職理由として、最も多いのは「給与が低い・昇給が見込めない」という理由です。次いで、「社内の雰囲気が悪い」「人間関係が悪い/うまくいかない」といった理由が多くみられます(※2)。

なぜ転職するのか?


1位の給与・昇給の不満もさることながら、2位「社内の雰囲気が悪い」や3位の「人間関係が悪い/うまくいかない」ことが原因でモチベーションが低下し、優秀なミドルが離職に至るケースもしばしば発生します。背後に、ハラスメントや社内コミュニケーションの課題があることも少なくないため、企業としては、どのような予防策が必要なのかを見極めることが重要になります。


離職に繋がるモチベーションの低下を防ぐ

この章では、ピースマインドに寄せられたご相談をもとに、ミドル世代に着目した、コミュニケーション課題に起因するモチベーション低下を防ぐ方策を検討します。

「自分の仕事の進め方が今の働き方に合わない」

ミドル世代といわれる40-50代の中には、これまで残業を厭わず働いたり、業務外の飲み会で交流を深めたりしてきた人もいます。新型コロナウイルスの影響等で働き方が大きく変わり、今まで通用していたやり方が使えなくなったことで大きなストレスを感じている場合も少なくありません。


このような状態は一般に「中年クライシス」と言われる状況にも重なります。加齢による身体的な変化や子の独立などに伴う、家族関係の変化に加えて、職場環境の変化が起きることで、変化に上手く適応できず、精神的な落ち込みを感じるケースも少なくありません。


中年クライシスの特徴

このような変化への適応を支援するための取り組みとしては、以下が挙げられます。

・同世代との繋がりを持つ機会の提供
役職が上がるにつれて、周りに相談相手が減る傾向があります。同世代と交流する機会を設けることで、同世代との繋がりを持ち、相談相手を増やすきっかけにすることができます。

・EAPなどの外部資源を用いた個別支援
中年期特有の葛藤は誰かに相談することが難しく、一人で抱え込むケースも少なくありません。社外のEAP窓口などを活用し、個人カウンセリングを通じて、自身の働き方を見直すことも有効な対策となります。


「部下とのコミュニケーションが上手くとれない」

自分としては、業務上必要な指導と考えて部下を叱責したが、部下はハラスメント行為と捉え、ハラスメント相談窓口に通報されてしまったというケースがあります。状況を精査したところ、ハラスメントではないと認定されたものの、モヤモヤが残り、仕事への意欲が低下してしまうことがあります。

部下との信頼関係が構築されていれば、互いに意見を伝え合うことができますが、日頃のコミュニケーションが不十分な場合、対話を飛び越えて窓口への通報となってしまうことがあります。


このような状況を起こさないためには、日頃からのコミュニケーションで信頼関係を構築することが重要です。会社としては、以下のような支援を行うことが有益です。

・管理職向けコミュニケーション研修
インプット型の研修だけでは自分事として捉えることが難しい場合には、ワークを交えた研修がおすすめです。ワークの中で、日頃の業務で起こりうるシチュエーションを取り上げ、自分とは異なるマネジメントスタイルの管理職の対応を見ることで、自身の言動を客観的に評価できます。

・相互理解のための双方向型研修
同じ部署で働く全メンバーによるディスカッションを交えたワークを通じて、互いの価値観を理解し合う場を作ります。互いがどのようなことを考えて仕事をしているのかを確認し合うことで、相手の意見や立場を尊重し合うチーム作りを目指します。

・マネジメントコンサルテーション
「特定の部下とのコミュニケーションで悩んでいる」「ハラスメント事案が発生してしまったが対応が難しい」といった場合には、個別のマネジメントコンサルテーションを活用するとよいでしょう。課題の整理から始まり、その解決に向けたプログラムをコーチング形式で実施します。
 ➤マネジメントコンサルテーションについてはこちら



まとめ

ミドル世代の離職の背景には、自身のライフステージや働き方の変化に加え、部下とのコミュニケーションの課題などがあると考えられます。特に現代では、旧来の「管理型マネジメント」から「部下の自律を促すマネジメント」スタイルに変化しつつあることから、会社としてもパラダイムシフトへの適応を支援することが必要です。

ピースマインドのサービスのご紹介
ピースマインドでは、「従来のインプット型研修ではない、新たなアプローチを探している」「より自分事として捉えてほしい」といったニーズに合わせ、変化に適応できる人材の育成やいきいきとしたチーム・職場づくりを目的とした様々な研修を行っております。
 ➤自社に適した研修について知りたい方はこちら

研修サービスページ

また、個別性の高いコーチングやマネジメント層への支援といった目的には、EAP(従業員支援プログラム)が最適です。

 ➤EAPの支援について知りたい方はこちら
 ➤ハラッサーコーチングについて知りたい方はこちら

EAPサービスページ

参考資料
※1 マイナビキャリアリサーチLab,転職動向調査2024年版(2023年実績)
※2 転職・求人doda(デューダ),転職理由ランキング【最新版】 みんなの本音を調査!



監修者 プロフィール

武田 英彦(たけだ ひでひこ)


ピースマインド株式会社

組織支援コンサルティング部  EAPコンサルタント 
公認心理師 臨床心理士 国際EAPコンサルタント(CEAP)


飲食業にて店舗運営スーパーバイザー、番組企画制作会社にてテレビ番組の企画制作を担当。 その後、退職し心理系大学院に進学、臨床心理士の資格を取得。
国立精神・神経医療研究 センターでの臨床検査、東京都知事部局において、職員のメンタルヘルスケアに従事。 その後、ピースマインド株式会社に入社。現在、EAPコンサルタントとして社員と企業向けのコンサ ルティング業務を担当。


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