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テレワーク時代!コミュニケーションにおける課題と取り組みを解説

内閣府の調査によると2022年7月時点でテレワークを実施している企業は、全国では30.6%、東京23区のみで見ると50.6%にのぼります(※1)。感染対策、通勤時間の短縮といったメリットがある一方、テレワークに慣れてきたこの頃だからこそ、社員とのコミュニケーション不足といったネガティブな変化が出てきている、と感じる人事担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。


本記事ではテレワークを今後も続けていきたいという組織の皆さまに向けて、リモートでもコミュニケーションの量や質が変わらず、チームの一体感を保つためのポイントを解説します。


<この記事でわかること>

・テレワークの普及から見えてきたこと

・浸透しつつあるテレワークの課題点

・課題解決のための取り組み


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目次[非表示]

  1. 1.テレワークの普及から見えてきたこと
    1. 1.1.デジタル化がテレワーク継続を後押しする可能性
    2. 1.2.テレワークによるメリット
  2. 2.テレワークにおけるコミュニケーションの課題
    1. 2.1.社員の孤立化が進んでいる職場も
    2. 2.2.テレワークにより組織の一体感が減少した職場も
  3. 3.課題解決のための取り組み
    1. 3.1.取り組み①リモート上におけるコミュニケーションの工夫
    2. 3.2.取り組み②人事からマネジメント層への研修
  4. 4.まとめ
  5. 5.ピースマインドのはたらくをよくする®サービス
  6. 6.参考資料


監修者プロフィール

武田 英彦(たけだ ひでひこ)

ピースマインド株式会社 

コンサルティング部  EAPコンサルタント 

公認心理師 臨床心理士 国際EAPコンサルタント(CEAP)


飲食業にて店舗運営スーパーバイザー、番組企画制作会社にてテレビ番組の企画制作を担当。 その後、退職し心理系大学院に進学、臨床心理士の資格を取得。

国立精神・神経医療研究 センターでの臨床検査、東京都知事部局において、職員のメンタルヘルスケアに従事。 その後、ピースマインド株式会社に入社。現在、EAPコンサルタントとして社員と企業向けのコンサ ルティング業務を担当。


テレワークの普及から見えてきたこと

デジタル化がテレワーク継続を後押しする可能性

テレワーク導入当初は「仕事が回らないのでは」と不安に感じた方もいらっしゃったと思います。しかし実際はうまく活用し、継続導入している企業も多くあります。その要因のひとつとして、コロナ禍をきっかけに社会全体で急速なデジタル化が進んだことが考えられます。


厚生労働省の調査(※2)では、「テレワークの利用拡大が進むために必要と思うもの」について、「書類のやりとりを電子化」「ペーパーレス化」「社内外の押印文化の見直し」との回答がありました。

デジタル化とテレワーク



業種・業界などによって差はあるものの、パンデミックをきっかけに業務や手続きのデジタル化やそれに伴ったIT化が進み、テレワーク環境への順応につながったと考えられます。


テレワークによるメリット

感染防止策として導入され始めたテレワークですが、その他にも、はたらく人と企業双方にとってメリットがあります。


企業においては、定型業務の生産性の向上や、交通費や印刷代といったコストの削減となり、はたらく人においては、通勤時間の短縮や柔軟に時間が使えるなど、ワーク・ライフ・バランスの向上といった効果がもたらされたと考えられます。


実際に総務省の調査では、テレワークを利用することで約半数の人が家族と過ごす時間や育児の時間が1時間以上増加したと回答しており、テレワークの導入はプラスの効果も大きいといえます(※3)。


一方、テレワークに残された課題があるのも事実です。テレワークの課題を振り返り、よりよい職場づくりのためにできることを、次章で詳しく見ていきましょう。


テレワークにおけるコミュニケーションの課題

社員の孤立化が進んでいる職場も

職場におけるテレワークの導入は通勤負担の軽減、ウイルス感染予防などのメリットがある一方、課題も見えてきました。そのひとつは「従業員の孤立化」です。


日本最大級の人事向けプラットフォームを運営する企業が行った調査(※4)によると、コロナ禍における従業員同士の関係性の変化について、「従業員の孤立化が進んだ」が41%と最も多く、「上司と部下の関係が希薄になった」が40%、「特に変化はない」が30%と続きます。

テレワークによるコミュニケーション課題


特に従業員数の規模が大きい企業の「従業員の孤立化が進んだ」割合は60%となっており、コロナ禍において、従業員同士の繋がりが希薄になったと感じる企業が多いことが分かります。このようにテレワークが普及してきた現在、課題の顕在化も同時に進んでいる職場も多いのではないでしょうか。


またピースマインドの調査では、テレワークにおける困りごととして、特に20代の若手社員が、「仕事のストレスや問題を相談したり話したりする機会が減った」ことをあげる割合が高い結果がでました(※5)。


若手社員は対面でのコミュニケーションを通し、コミュニティに受け入れられているかどうかや、自分の仕事に対する反応を細かく見ている可能性があります。それゆえ、その機会がなくなると不安になるなど、所属意識や仲間意識を非常に大事にする年代であると考えられます。


このような現状からも、テレワークによる社員の孤立化が課題として浮かび上がっているといえるでしょう。


テレワークにより組織の一体感が減少した職場も

テレワークのもうひとつのデメリットとして、組織の一体感減少があげられます。


前述の調査(※4)では、これからの職場において重要なことについて、「従業員同士のコミュニケーション(73%)」「従業員エンゲージメントの向上(69%)」「従業員の自律性の向上(69%)」「心理的安全性の確立(68%)」「組織の一体感と従業員の自律的キャリアの促進(67%)」との結果になりました。

これからの職場において重要なこと


「従業員の自律性」の重要度が増したのは、テレワークによってセルフマネジメントがより重要になったからと考えられます。


従業員の自律性が向上するのは良いことですが、一方で組織の一体感が減少したことのリスクにも注目する必要があるでしょう。


組織の一体感減少によりエンゲージメント(仕事への活力・熱意・没頭)が低下すると、離職率を増加させる可能性があります。また孤立感の高まりは、従業員のメンタルヘルス不調に繫がるといわれています。


次章では、これらの課題に対する解決法を考えていきます。


課題解決のための取り組み

経営視点でみると、社員の孤立や職場の一体感の減少は、生産性低下につながる可能性があります。また、マネジメント層(管理職)の視点では、チームとしてのマネジメントの難しさにつながると考えられます。そこで解決策として、①コミュニケーションの工夫②研修、の2つをご紹介します。


取り組み①リモート上におけるコミュニケーションの工夫

相談リソースの確保

社員が分からないことを聞ける体制づくりが効果的であると考えられます。例えば時間を決めたOJT体制や、チャットなどで気軽に質問ができるQ&Aチャンネルの展開もひとつの手です。リモートワークで相談しづらいという不安を抱えている社員の、不安解消のリソースをいかに構築していくかが重要です。



1on1ミーティングを用いた信頼関係の構築で孤立化を防止

テレワークは、上司からの承認やサポートを得ているという感覚が低くなることが、モチベーション低下につながるといわれています。社員と定期的に1対1で面談をする機会を作り、部下の課題を一緒に考えたり、出来ていることをフィードバックしましょう。


面談は、できればお互いの顔が見えるツールで、難しければ電話で行うとよいでしょう。その際、部下の現状を知り、仕事のプロセスや、体調などを気にかけるようにすることが大切です。まずはコミュニケーションのきっかけを作ってあげることが大事です。



必要に応じて専門家につなぐ

社員の孤立化を防ぐためには、前述のように短時間でも頻繁に話す場を設けることが有効と考えられます。


ただ、社員自身の体調や家族といったプライベートな問題や、上司に打ち明けることが難しい問題は無理に話を聞き出さず、ピースマインドのような専門機関につないでいただくという方法もあります。

社員の孤立化防止まとめ


取り組み②人事からマネジメント層への研修

社員の孤立化やチームの一体感の減少を防ぐため、マネジメント層(管理職)による、部下へのラインケアが急務となっています。


一方で、オンライン上での部下とのコミュニケーションに自信がないというマネジメント層の声もお聞きします。


厚生労働省の調査(※2)では、テレワークで「マネージャーが感じるチームや部下の課題」として、「コミュニケーションの量が減っている(64%)」「チームの一体感を醸成するのが難しい(56%)」「悩みや課題を把握するのが難しい(50%)」と続きます。このようにマネジメント層は、テレワークによる職場のコミュニケーション不足や一体感の減少に課題を感じていると考えられます。


マネジメント層がこのような課題を抱えている一方、人事担当者がマネジメント層に対して「特に支援を検討していない」と回答した企業が24%にのぼりました(※2)。このことからも、人事担当者からマネジメント層へのアプローチを行うことが、テレワークにおけるチームのコミュニケーション活性や一体感の醸成に有効である可能性があります。

人事担当者から管理職へのアプローチ


人事からマネジメント層へのアプローチで職場のコミュニケーションを促進

こういった課題の解決策として、マネジメント層への研修があげられます。


ピースマインドでは多様なはたらき方に適応するため、「”はたらくをよくする”eラーニングシリーズ」をご用意しています。特に「管理職のためのメンタルヘルスマネジメント・オンライン研修」では、テレワークにおける部下のメンタルヘルスケアの方法などを紹介しています。


また、部下をサポートするための基本スキルを促進する「ラインケア研修」、部下とのコミュニケーションスキルを促進する「コミュ二ケーション研修」もございます。加えて部下自身のストレスマネジメントやセルフケアも重要ですので、その視点では「ストレスマネジメント研修」や「セルフケア研修」などもお勧めです。


研修を活用することで、マネジメント層と部下の円滑なコミュニケーション環境をつくることが可能となると考えられます。このようにマネジメント層のスキルを高める支援をすることも、社員の孤立化やチームの一体感減少といった、テレワークに残された課題を解決することにつながるのではないでしょうか。


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まとめ

本記事では、社員同士のコミュニケーション現象による、社員の孤立化に焦点を当て、その解決方法の一部をご紹介しました。


コミュニケーションのポイントを押さえ、リモートワークでもコミュニケーションの量や質が変わらない、一体感があるチームづくりを目指していきましょう。


ピースマインドのはたらくをよくする®サービス

EAPとは、はたらく人の「はたらくをよくする®」ために、心理学や行動科学の視点から職場のパフォーマンス向上などに対し解決策を提供するプログラムです。


経営課題、人事課題、組織目標に応じて、セルフケア・プラン、ラインケア・プラン、スタンダード・プランなど最適なプログラムをコンサルタントがデザインします。他にも、職場のクライシスケアや社員のワークライフバランスを実現させたい等の課題にも解決策をご提供しています。


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参考資料

(※1)内閣府 政策統括官「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」 

(※2)厚生労働省 第1回「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」資料 「テレワークを巡る現状について」

(※3)総務省「テレワークの動向と課題について」

(※4)株式会社HRビジョン「日本の人事部『人事白書2020』」

(※5)ピースマインド株式会社 コロナ禍における「はたらく人」のウェルビーイング調査レポートを公開 -「抑うつ感」「活気」の悪化やストレス度とパフォーマンス低下の影響が明らかに-

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