2022年最新版|パワハラ防止法対策のための7つの取り組みとは

労働施策総合推進法に基づく「パワーハラスメント防止措置」(通称パワハラ防止法)の改正によって、職場におけるパワーハラスメント対策が、2020年6月からは大企業の義務に、2022年4月1日からは中小企業も実施義務の対象に加わりました。
 

パワハラ防止法の中には、事業主が必ず講じなければならない措置についても言及されており、組織のパワハラ対策をどのように進めれば良いか、今一度振り返ってみる必要があるでしょう。本記事では、パワハラ防止法の内容を解説するとともに、基本的な対策方法を7つご紹介します。
 

<本記事でわかること>

・パワハラ防止法の具体的な内容

・ハラスメント対策の7つの基本的取り組み
 

<監修者プロフィール>

吉野 学

ピースマインド株式会社 経営企画部 ・公認心理師・臨床心理士・キャリアコンサルタント。大手不動産デベロッパーで長年経営企画業務を担当。ヘルスケア事業の立上げに携わったことを契機にメンタルヘルスケア業界に転身。従業員のメンタルヘルスケアや企業の職場改善、医療機関の経営再建に従事した後に、ピースマインド株式会社入社。営業部長を経て現職。100社を超える企業の職場改善を支援。

 

法令で義務化されたパワハラ防止措置の項目とは


 

改正法ではどのような点が変更されたのでしょうか。例えば、これまで定義されてこなかった「職場におけるパワーハラスメント」を「優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるもの」と定義づけました(※1)。これにより、曖昧であったパワハラの線引きが分かりやすくなりました。

 

さらに注目すべき点は、事業主が必ず講じなければならない措置についてです。改正法には、法律に違反した場合の罰則は定められていません。しかし、法律の施行に関して必要があると認められた場合には、厚生労働大臣が事業主に対して、助言、指導又は勧告をすることができます。事業主がこの勧告に従わなかった場合には、その旨が公表される可能性もあります。

 

早い段階で改正法の内容を確認し、組織としてすべきことを把握しておきましょう。以下でその具体的な内容について解説していきます。
 

講じなければならない措置.png

事業主の方針等の明確化および周知・啓発

ハラスメントをなくすためには、まずはトップがその姿勢を示すことが重要です。社内報やパンフレット、社内ホームページ等に、パワーハラスメントの内容や背景、パワーハラスメントがあってはならない旨の方針を記載し、配布するなどすると良いでしょう。また、研修、講習等を行うことでも、事業主の方針が明確化されていることを周知・啓発できます。

 

相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

社員からの相談に対応する相談窓口をあらかじめ設置しておきましょう。ただ設置するだけでなく、相談に対応するための制度の整備や、設置したことの周知も合わせて行いましょう。EAP(従業員支援サービス)など、外部機関に相談窓口を設けることもできます。EAPの詳細やメリットについては、以下の記事を参考にしてみてください。

EAP(従業員支援プログラム)とは? 臨床心理士が、カウンセリング開始から課題解決までのプロセスを解説します。

 

職場におけるパワハラに関する事後の迅速な対応かつ適切な対応

パワハラに関する相談の申出があった場合は、早急に事実確認を行いましょう。その際、被害者だけでなく、双方の意見を聞き、正確な情報を確認しましょう。場合によっては、第三者にも話を聞くことも大切です。その後は被害者(ハラッシー)に対するケアを優先します。いつでも心理職などの専門職につなぐことができるよう、体制を整えておきましょう。

 

また、ハラッサーに対しても、コーチングやカウンセリングの機会を設け、再発防止につなげましょう。研修を通して行動変容や心理的支援の具体的なゴールを設定し、職場が長期的にサポートしていく姿勢が求められます。
 


ハラスメント防止策のヒント


 

ここまで改正法の内容を見てきましたが、「新たにハラスメント対策担当者になったが、何から手をつければよいか」「ハラスメント教育をどのように実施したらよいのか」といった、人事労務担当者やコンプライアンス担当者の声も多くあります。

以下では、各企業においてパワーハラスメント対策の基本的な枠組みを構築するために、「パワーハラスメント対策導入マニュアル」(※2)等で示されている取り組み7つをご紹介します。

ハラスメント対策7step.png 

 

1.トップのメッセージ

組織のトップが、職場のハラスメントは職場からなくすべきであることを明確に示しましょう。トップがハラスメントを許さない姿勢を示すことで、社員の心理的安全性につながります。心理的安全性が確保されている組織では、効率性が向上するという結果も出ており、まずトップから組織を変えていくことの重要性が分かります。


2.ルールを決める

組織一体となって認識を一致させ取り組みを進めるために、労働協約や労使協定などでルールを明確化することが効果的です。国が示すガイドラインや指針に、会社のポリシーを加えて作成すると良いでしょう。


3.実態を把握する

従業員アンケートなどを通して、現状を把握しておきましょう。アンケートでの実態把握を行う場合は対象者が偏らないようにするとともに、正確な実態把握や回収率向上のために、匿名での実施が効果的です。従業員向けの相談窓口を設置している場合は、アンケートと合わせて相談窓口も紹介しましょう。


4.教育する

教育の一環として、研修などの実施が効果的です。研修は可能な限り全員が受講できる環境や条件を整え、かつ定期的に実施することが重要です。中途入社の従業員に対しても、入社時に研修や説明を行うなどするとよいでしょう。


5.周知する

組織の方針や取り組みについて、社内外に周知・啓発を行いましょう。例えば、トップ自らが、ハラスメント対策の方針を明確化し、社内報で連絡するなど、多くの人が目にする機会で定期的に発信していくと効果的です。


6.相談や解決の場を設置する

相談窓口の設置と相談への対応方法を決めておきましょう。従業員が相談しやすくするために、相談者の秘密が守られることや、不利益な取り扱いを受けないこと、相談窓口でどのような対応をするかをあらかじめ周知しておくと良いでしょう。社内の人には相談しにくい、と考えている社員のために、外部相談機関と予め連携し、いつでも相談できる体制を整えておくことも大切です。


7.再発防止のための取り組み

ハラスメント行為者、ハラスメント被害者双方へのケアはもちろん、周辺の社員が心理的ダメージを受けているケースが散見されます。周辺社員への教育・支援もタイムリーに取り組むことで組織のパフォーマンスの回復・維持にも目を配りましょう。

 


まとめ



ここまで、パワハラ防止法の内容と、対策としてできることを紹介しました。ハラスメント対策は今後、企業にとってコンプライアンス上のリスクマネジメントという観点だけでなく、パフォーマンスやストレスマネジメントなど様々な観点からも、ますます注目され重要視されることとなるでしょう。

 

ピースマインドでは、ハラスメント防止の各ステップを支援する様々なサービスを用意しています。ハラスメント防止のための措置義務を遵守するためのサポートを行う「職場のハラスメント対策支援サービス」や職場のパワーハラスメントのリスクを把握し、予防するための新尺度である「パワハラ・インデックス」等を活用した職場のハラスメントの予防・解決支援をご提供しております。

 

その他にも社員啓発教育・サポート、再発防止のための事後課題解決サポート、ハラスメント相談窓口などのサービスもございます。ハラスメント対策に課題をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。

 

ピースマインドのハラスメント対策サービスはこちら

https://www.peacemind.co.jp/service/harassment

 

 

参考情報

※1.2022年(令和4年)4月1日より、「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化されます! 

※2.厚生労働省「パワーハラスメント対策導入マニュアル 予防から事後対応までサポートガイド」

ピースマインドは、お客様とともに「はたらくをよくする」会社です。

EAP(従業員支援プログラム)やストレスチェック、ハラスメント対策や
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