仕事とメンタル不調との関係 「職場の人間関係」よりも「仕事と本人能力・適性とのギャップ」の悩み

~ 「労働者のメンタル不調要因調査」結果報告 ~

 

 メンタルヘルスサービスの株式会社ピースマインド(本社:東京都中央区、代表取締役社長:荻原 国啓、以下ピースマインド)の調査・研究の専門組織である「ピースマインド総合研究所」では、ピースマインドが提供するEAP(従業員支援プログラム)サービスの契約企業従業員によるカウンセリング利用の統計データを基に、労働者のメンタル不調の要因について調査・分析を行ないましたので結果を報告します。主な調査・分析結果は、以下のとおりです。

【 調査・分析の概要 】
・ 目的: 労働者のメンタル不調について、年齢・男女別の要因の特徴を把握し、傾向をとらえることを目的
・ 対象: EAP契約企業従業員のうちピースマインドのカウンセリング利用者
      20代から50代までの働く男女1514名( 男863名、女651名 )
・ 方法: カウンセリング結果に基づき、カウンセラーが相談テーマを分析した結果に対し、年代・男女別に、「メンタル不調」と相談テーマとの関係についてオッズ比※を算出
      (※オッズ比とは、その関連の強さの指標で、オッズ比が高いほど、メンタル不調と相談テーマの関連性が高いことを示します。)
・ 時期: 2006年10月~2007年9月の1年間のカウンセリング結果データ

【 結果 】
 先行研究では、労働者のメンタル不調の要因として、「職場内の人間関係」「業務の質・量」等の様々な見地が得られていますが、本調査では、過去1年間の継続カウンセリングの実施結果から把握できる要因を解析し、先行研究の結果との差異を検討しました。 調査・分析結果から見られた特徴は以下の通りです。

 これら先行研究との差異は、従来の調査の多くが質問紙ストレス調査の結果(「何をストレスに感じているか?」等の問い)をメンタル不調と連動して捉えてきたこと、また本調査が母集団を更に下位群に分け解析したことによると考察されます。

 

■ 全体 メンタル不調の要因分析

■ 20代 男女別傾向

■ 30代 男女別傾向

■ 40代 男女別傾向

■ 50代 男女別傾向

【 まとめと今後の課題 】
 カウンセリングを通じた調査では、表層的な訴えよりもより個々人の根底にある課題が浮き彫りになります。メンタルヘルス対策のためにはこれらの本質的な課題に対策を講じることが必要です。本調査によって、労働者のメンタル不調の本質的要因が明らかとなり、より精度の高いメンタルヘルス対策の構築が可能になりました。今後は相談テーマの詳細化、組織別調査を進め、より具体化されたメンタルヘルス対策に結びつくよう精査していく予定です。
 今後もピースマインドでは、組織や個人のメンタルヘルス対策をトータルにサポートしてきた実績とノウハウを生かし、組織および個人の問題解決の一助になりうる有益な調査・研究、情報提供・提案を積極的に発信してまいります。