社員からの相談:

相談者プロフィール
30代男性、1年ほど前から営業職として勤務している。
問題とこれまでの経緯
入社以来ずっと先輩社員との関係が悪く、プレッシャーを与え続けられている。その先輩は、自分も含めて後輩を馬鹿にしたり、嫌がらせをしたりする。些細なことでも自分の気に食わないことがあると、話を一方的に打ち切って怒りをぶつけてくる。
最初の頃は、入社したばかりだからと思い我慢をしてきたが、だんだん近くにいるだけで緊張するようになり、1日の疲労感も強くなってきた。仕事や職場のことを考えてあまり眠れない日もあり、その先輩と一緒に仕事をすることが精神的にかなりつらい。
先輩との関係について上司にも相談したが、「彼(先輩)は変わらないと思うよ。君が変わるべきだ」と取り合ってくれなかった。そこで、パワハラ案件として人事に相談したところ、EAPに相談するように伝えられた。
現在は業務変更の関係でその先輩と一緒に仕事をすることはなくなったが、気にはなっている。可能ならば別の部署で仕事をしたいという希望があるが、今のところ異動は難しいと会社から言われており、困っている。
当社によるご支援内容
職場の先輩社員との関係性についてストレスが生じている。本人のエピソードを聞く限り、パワハラとは断定できない状況ではあるが、問題行動を訴えている社員に対し、職場が何らかの手立てを講じることが重要と思われる。職場が問題行動を認識していながらも解決の手段を講じないことは問題と思われる。相談者としては苦手意識が強く、今後一緒に仕事をしていくとなるとかなりの精神的負荷がかかることが考えられる。
「先輩社員と一緒に働くことが精神的負荷になること」「自身の体調不良に繋がっていること」を話した上で、今後の勤務体制などについてどうしていくかを一緒に検討していくことを目標とした。
これまでのつらい状況を数回の電話相談を通して傾聴し、「別の部署で働くことが可能かどうか」「今の就業状況で仕事を続けていけるかどうか」について確認・検討を行った。
先輩社員と距離を置いたことで、心身の症状は収まってきたため、一旦今の条件のまま勤務を続けることとなった。今後は人事部門とも相談しつつ、状況に応じて相談サービスを利用することを提案し終結となった。

ご支援のポイント
相談者にとっての問題を整理
- 先輩社員と一緒に働くことが精神的負荷となって、体調不良につながっている。
- 先輩社員の問題行動を職場に伝えているが、解決の手段が講じられていないと感じている。
現実的な対応方法を検討
- 別の部署で働くことが可能かどうか/このままの就業状況で仕事を続けていけるかどうかを検討
- 相談者の心身症状を確認しつつ、現実的な対応方法を示唆・提案
監修者プロフィール
玉井 敬一郎
ピースマインド株式会社 組織ソリューション部 部長/公認心理師・臨床心理士