社員からの相談:

相談者プロフィール
30代女性、2年前に異動してきた現在の部署は、外部交渉する仕事がメインでつねに能力と成果が求められる忙しい職場。
問題とこれまでの経緯
2年前に今の部署に異動してきたが、当初より上司からかなりの量の業務を振られてきた。当初は期待されているのだと思って頑張ってきたが、最近になって改めて考えてみると適正な業務量ではないと思うようになった。
上司はこちらの意見を聞き入れてくれず、独断で仕事を振り、フォローも全くしてくれず責任は部下に全部押し付けてくる。周りもその上司のふるまいを知ってはいるが、上司は仕事ができ、もっと上の方にかわいがられているため、職場では上司のハラスメント的なふるまいについて口にできる雰囲気ではない。職場は全体的に仕事がすべてという感じだが、相談者としては家族も大切なので、仕事とプライベートの両立をしたいと思っている。
上司との面談の際に自分の希望を思い切って伝えてみたところ、まったく相手にされないどころか逆に激怒をされ、金曜日の昼過ぎであったが「今持っている仕事を今週末までにすべて終わらせないと評価を下げる」と言われた。
その言葉でもう限界だと感じたため、当社のEAP相談の利用を開始。事前に人事には相談をしたものの、「評価や具体的な業務内容については、部内で話し合ってもらうこと」と突き返された。相談者としてはあまり大ごとにしたくはないが、今後どうすればよいか悩んでいた。
当社によるご支援内容
相談者の訴えは「適正ではない」「妥当感がない」など、主観的なものが中心で、それらについてはハラスメントか否かグレーゾーンであった。しかし、金曜日の昼過ぎにも関わらず、「今週末までという不可能な期限内に業務を全て完了させなければ評価をさげる。」という面談時の上司の言動は、ハラスメントに当たる可能性が考えられるため、この事象に絞って対応。
しかしながら、実際に評価を下げられる可能性があるかどうかを共に吟味した結果、実際の 評価を目にするまでは様子を見ることにした。その間に上司の方で何か動きがあれば、いつでも対応できるよう言動を記録しておくことを提案して、相談者も受け入れた。また、上司による実際の評価が客観的にも不当であると感じた場合は、もう一度人事へ相談することを確認して終結とした。

ご支援のポイント
ハラスメントに該当すると考えられる上司の言動を明確化
- 金曜日の昼過ぎにも関わらず、「今週末までという不可能な期限内に業務を全て完了させなければ評価をさげる。」という上司の言動を明確化した。
今後の対応を具体的に示唆・提案
- 上司に何か動きがあれば、言動を記録しておく。
- 上司による実際の評価が客観的に不当であると感じた場合は、もう一度人事へ相談する。
監修者プロフィール
後藤 麻友
ピースマインド株式会社 コンサルティング部 統括マネージャー/公認心理師・臨床心理士