第12回
思いがけない職場の危機に備えて
~ショックな出来事からの回復を支える
クライシスケア~

Be prepared for unexpected workplace crisis
~Crisis Care to Support Employees' Recovery from an Unexpected Event~

2023-02-07 09:19

今回のご相談者

橋本 希和さん(36歳)

製造業 人事担当 (従業員数1300名 / 本社所在地:神奈川県川崎市)

お助けマン

ミスターパイン

EAPやストレスチェックなど、ピースマインドが提供するサービスのご担当者が抱える課題を解決し、企業にお勤めの皆さまの「はたらくをよくする®」ことに喜びを感じながら日々活動している相談役。趣味は英会話。


 

橋本さん「パインさん、こんにちは。 今日は1つ相談がありまして。実は先月、ある部門の部長が職場で急病で倒れ、入院することになったんです。 部長自身は結果的には大事に至らず、術後の経過も良好なんですが、その部長のメンバーが部長が倒れた時に側にいて、動揺したようで、調子を崩してしまって。

 

パイン「That must have been tough. 部長の方が大事に至らなかったのは幸いですが…。その社員の方は、その後の状況はどうなんですか。」

 

橋本さん「たまたまその時は、その社員が自分で不調を訴えて保健師のところに来てくれて。 保健師が定期的に話して様子を見られたことと、部長の状態もわかったことで、回復してきてはいます。」

 

パイン「保健師の方につながることが出来たんですね。 I'm glad to hear that.」

 

橋本さん「ええ。ただ、今回はたまたま自分で駆け込んでくれて、部長も結果的に大事に至らなかったのでよかったんですが、コロナ禍前より自殺者が増加しているというニュースもありますし、あっては欲しくないけどそういうことが起きたときに、社員のケアにどう対応すればいいのかな、と思いまして…。」

 

パイン「I get it. この社員の突然の自殺のような職場全体が混乱に陥るような出来事を『クライシス』といいます。他にも職場の事故だったり、自然災害、コンプライアンス違反などもあります。」

 

橋本さん「そういえば、東日本大震災の時は私は人事部に来る前でしたが、社内で相談窓口の周知とかがあった気がします。 クライシスが起こると、人事としては対処しなければいけないことが多くありそうですし、なかなか1人1人の社員の心のケアまで気が周りそうにないですね。」

 

パイン「You're right. 企業においては危機への対策としてBCP(※1)やCMP(※2)が策定されているケースが多いですが、はたらく人への心理的影響という面においては、人的な側面からのサポートが不足する、そこまで手が回らないという場面も多いです。」
 

※1 BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画):
危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できる方策を用意し、損害を最小限に留め、中核事業の早期復旧を図るための計画。 

※2 CMP(Crisis Management Plan):
実際に危機が発生した際に、被害を最小限に抑えるために事態の発生直後から混乱収束までの比較的長い時間軸で考える行動計画。

 

橋本さん「クライシスが起こると、どんな心理的な影響が起きやすいんですかね?ショックを受ける、というのは何となく直感的に分かるんですが…」

 

パイン「クライシスの内容や、それぞれの人の特性、状況にもよりますが、急激なストレスがかかることで、例えばショックや悲しみ・怒りといった感情が強く出たり、逆に何も感じなくなるといった変化や、思考の混乱が起きたり、身体的には極度の疲労感や、眠れないといった症状が現れたりします。」

 

橋本さん「そういえば、最初に話した社員は、しばらく不眠を訴えていた、と聞きました。」

 

パイン「出来事の直後にこのような反応が出るのはある意味では当然なのですが、これらを長引かせない、あるいは回復を早め適応を促進するために、初期の対応が大切になります。サイコロジカル・ファーストエイドと呼んだりもしますね。」

 

橋本さん「確かに、長引いてしまうと本人も辛いですよね。 職場においても、周囲も大変ですが、何より仕事のパフォーマンスに影響が出ていることを本人が悩んでしまいそうで、悪循環になりやすい気がします。 初期の対応ではどんなことをするんですか?」

 

パイン「これもクライシスの内容や、影響を受けた社員の人数や状態によって様々ですが、1対1でカウンセリングしたり、グループセッションという形で、自分の心の状態への向き合い方を学んだりします。例えば、ショックな出来事が起きたときにはストレス反応が出るのが当たり前で、それは段階的に元に戻っていくものだ、ということを知っているだけでも、今の自分が落ち込んでいたりする状態が当たり前なんだ、と思えて少し楽になったりします。」

 

橋本さん「実際に思いがけない出来事が起こったら、人事部では対応に追われて社員をこのようにケアすることはなかなか難しそうですよね。我々に専門的知識があるわけでもないですし。 そういう時に、頼れる専門家がいるというのはすごく大切なことのように思いました。」

 

パイン「クライシスが起きた時は、とにかく初期対応が大事なのですが、先ほど話したように、人事の皆さんも他の対応で手いっぱいになって、余裕がなくなり、社員の心のケアが疎かになる場合が多いんです。だからこそ、外部に任せされることは任せてほしいと思います。スピード第一でEAPにお電話いただき、社員の心のケアはEAPに託してください。手放せる部分は手放すことが大事です。」

 

橋本さん「社員のため、ということを第一に考えると、自分たちで抱え込むのではなく、専門家の力をうまく借りることが大事なんだなと思いました。 クライシスはあってほしくないですが、万が一のときにはためらわずにEAPに相談したいと思います。」

 


通常の業務を中断する必要があるほど職場全体が混乱する事態、これが「職場のクライシス」です。例えば、従業員の事故や自殺、コンプライアンス違反や不祥事などの事件、事業閉鎖や合併・リストラ、天災などです。

混乱時には経営陣と現場との間に「情報の空白」が生まれ、職場の信頼関係が損なわれることがあります。場合によってはマスコミからの情報が不用意に先行するなど、混乱に拍車が掛かる場合もあります。


クライシス発生時のタイムリーかつ適切な専門家による介入と対処は、このような事態によって起きうる従業員の心理面の混乱について、効果的な回復サポートを提供することができます。

クライシス発生時には、人事部門の方などは外部・内部の対応に追われ、心身の負担がかかり余裕が無くなりやすくなります。また、クライシスの内容によっては、会社としての体裁を重んじるあまり、自社で抱え込もうとする意識が働きやすくなり、結果的に社員のケアまで手が回らなくなる、ということがよくあります。

 

クライシスはもちろん起きないことが1番よいのですが、万が一起きてしまったとき、社員の混乱や心理的影響の長期化を防ぎ、生産性の低下を回復させるための頼れるリソースとして、ピースマインドのような心理専門家がいることを、ぜひ頭の片隅に留め置いていただければと思います。


本日のまとめ

 

①クライシス発生時の社員の心のケアは初期対応が大切

 

②自分たちで抱え込まず、心理専門家による適切な介入と対処を活用

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