2019/10/09

どこから手をつける?職場のハラスメント対策

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2019年5月の改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)の成立を受け、大きな社会問題としてパワーハラスメントへの関心が高まっています。大企業に関しては2020年春にも法制化される見込みとなり、企業にはハラスメント対策を強化することが今後ますます求められることになります。
 
そこで、職場のハラスメント対策のポイントや具体的な取組みについて解説します。
 
職場でのハラスメント対策の全体像
職場でのハラスメント対策は、予防・備え・フォローアップという目的に応じて、それぞれ取組みを実施していくと良いでしょう。
予防では「1.トップのメッセージ」「2.ルールを決める・周知する」「3.教育する」、備えでは「4.相談窓口や解決の場を設置」、フォローアップでは「5.再発防止に向けた取り組み」が必要です。
参考:パワハラ防止の法制化 企業において取組むべき防止策のヒント
 
各取組みのポイント、期待される効果
ここでは、ハラスメント対策の目的別に具体的な取組みをご紹介します。
 
予防
1. トップのメッセージ
ハラスメント対策を周知・徹底するうえで最も重要なのは経営トップあるいは会社からのメッセージです。社員は、このメッセージから、自社のハラスメントへの取組みの“本気度”を測るのです。特に企業文化や組織風土のなかにハラスメントの芽が隠れている場合には、意識変革を促す意味でも、フォーマルで明確なメッセージが必要です。
 
2. ルールを決める・周知する
ハラスメント対策は、迅速な対応が必要です。問題が発生した後で、関係者が集まって協議をしているようだと対策が進まないケースをよく目にします。そこで「どのような体制で、誰が判断をするか」「問題が発生した場合の事後処理や、誰が誰に対して何をするか」等について、予め決めておき迅速に対応ができる体制を構築しおくことが大事です。できれば「ハラスメント対応マニュアル」等を整備しておくことをお勧めします。
 
3. 教育する
集合研修やe-lerningを活用して、繰り返して実施することが効果的です。
最近はハラスメントに関する知識定着や理解を目的とした研修だけでなく、ハラスメント防止に繋がる研修への企業の関心が高まっています。特にパワハラは、ハラスメントと指導の境目が分かりにくいことや、管理職が職場での自身のコミュニケーションを客観的に振り返る機会が少ないことで、当人が無自覚なまま問題行動が生じているケースが見受けられます。
知識定着や理解を目的とした研修に加えて、ロールプレイング等の体験型研修を通して自身の言動への気づきを促すことで、ハラスメント防止に繋げていけると良いでしょう。
 
対応
4. 相談窓口や解決の場を設置
先ずはタイムリーに情報収集し、対応するための通報窓口を設置しましょう。通報窓口は社内窓口と併行して外部窓口を設ける等、相談者の利便性への配慮についても検討が必要です。
 
最近では、事案化する前の問題を早期発見するための相談窓口について、企業の関心が高まっています。事案化する前の相談を受けることができれば、関係部署や上司と連携して事案化を未然に防ぐことも可能です。
 
一方で相談窓口が複数にわかれると、相談者がどの窓口に相談すればよいのか迷うことや、社内でのハラスメントに関する情報集約が難しくなります。窓口が複数ある場合でも、情報が集約される体制を構築しておくことが大事です。また総合窓口を用意し相談の入口を一本化した上で、相談内容に応じて適切な窓口に繋ぐことも一つです。
 
フォローアップ
5. 再発防止に向けた取り組み
ハラッシー(ハラスメントを受けた方)やハラッサー(ハラスメントをした方)へのケアが必要です。
 
ハラッシーへのケアでは、心理的なダメージに対してタイムリーな心理的支援が必要です。社内でカウンセリングを実施している保健師や産業医がいる場合は、その方々に任せましょう。臨床心理士などの心理職が社内にいる場合は、心理職に担当をしていただくと良いでしょう。ハラッシーへのケアを実施する上では「何をゴールとするか」「どこまで支援するか」の設定が難しいため、EAPなどの専門機関を活用することも一つです。例えば「職場でのパフォーマンスの回復・維持」といったゴールの設定や「専門家による継続カウンセリング実施」で専門機関が活用できます。
 
ハラッサーへの対応としてコーチングやカウンセリングを行う際にも、「何をゴールとするか」「どこまで支援するか」の設定が重要です。ハラッサーの課題を明確にした上で、行動変容や心理的支援の具体的なゴールを設定し、サポートしていきましょう。
 
また、ハラスメントの問題が発生した場合、ハラッシーの職場や周辺の社員が心理的ダメージを受けているケースが散見されます。周辺社員への教育・支援もタイムリーに取り組むことで組織のパフォーマンスの回復・維持にも目を配りましょう。
 
 
まとめ
今回は職場でのハラスメント対策について、取組む上でのポイントや期待される効果についてご紹介しました。
緊急性や優先順位・着手のしやすさなど、企業の状況に応じて対策をすすめながら、継続して充実を図ることが重要です。また、社内で対策が難しい取組みについては、外部の専門機関を活用しながら実施するとよいでしょう。

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